友人のゆしらくんへ
最近、電話しても出ないゆしらくん。
メールしても返信のないゆしらくん。
まぁ、こういうときもあるだろうから、それは気にしていない。
いくつか聞きたいこと、伝えたいことがあるので、このブログで書いていく。
近頃、ようやく、ロックが分かってきた気がしている。
ペット・ショップ・ボーイズのRELEASEというアルバムをたまたま買って、聴いてみたら、あまりの良さに、感動したのだ。
そこから、ビック・ビートが分かってきた。
レディオヘッドも、新たな聴こえ方がしてきた。
たまたま、ビック・ビート系のアルバムも手に入って、こういう感じね、という感じなのだ。
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川上末映子の乳と卵、という小説が安かったから、買って、出だしを読んでみて、面白くなかった。
そのことにビックリした。
これが、現代詩、もしくは、現代詩的だというのならば、僕にとって、日本の現代詩は、やっぱり、面白くない。
ただ、海外の現代詩は詳しくないので、ここは、日本の、と言うべきだろう。
小説で言うと、最近、ミレニアム、という長編ミステリー小説を読み終えた(ドラゴン・タトゥーの女、のみ)。
エンタメ的に、名作だと思った。
さすが、世界中で評判になり、大ヒットしているだけある。
とっても、ハリウッド映画になりそうで、実際になっている。
機会があったら、映画版も見てみたい。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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出だしぐらいしか読んでいないけど、コニー・ウィリスの最後のウィネベーゴ、という短編集、名作の匂いがする。
こういう匂いは、だいたい、裏切らない。
コニー・ウィリスは、凄い小説家なのだろう。
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村上春樹が訳したグレート・ギャツビーの本が、キレイな状態で、30円でセールしていたので、最近、買った。
古い、以前、100円で買った方は、どうしたものか。
この本が、万人ウケするとは思えないし、本にしても、映画にしても、音楽にしても、自分が良いと感動したものが、他人には迷惑な、面倒な、イマイチピンとこないものに受け取られることは、多い。
ただ、この小説の出だしを読んで、もちろん、名作の匂いがした。
全てを読み終えて、やはり、名作であった。
大名作である。
僕が読んできた村上春樹の小説よりも、訳されたグレート・ギャツビーの方が、名作だと思っている。
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さて、エイフェックス・ツインのニューアルバム「Syro」がついにリリースされた。
僕は、ユーチューブで、フルアルバムがアップされていたから、何度か聴いてみた。
これは、ゆしらくんにとって、余裕があれば、買うべきアルバムなのかも知れない。
初期の頃のエイフェックス・ツインの感じが強いからだ。
とっても聴きやすい。アマゾンのレビュー、音楽ライター(?)の対談をネットで読んで、好意的に受け入れられているらしいことが伺える。
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日本の音楽ライター(音楽雑誌の編集者?)二人の対談を今日、読んでみて、ワイアードというサイトだったように思うのだけど、Syro、絶賛! drukqs、駄作! ということがさも常識のように語られていて、これが日本の音楽業界の見識であり、価値基準であり、常識なのだろうか、と首をかしげた。
いや、日本に限らず、そもそも、海外でのdrukqsの評価はかなり低く、それを周到しての日本の音楽業界、音楽批評家たちの基準になっているのだろう。
しかし、drukqs、僕は名盤だと思っているし、今、聴き直していて、だから、Syroに対して、あまり欲しい、とは思わない。
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音楽をどのように捉えているのか、それが、肝心要であり、音楽をエンタメとして捉えるか、芸術として捉えるか、文学で言えエンタメか純文学か、みたいなことで、絵画ならば、イラストか現代絵画か、みたいな。
今、drukqsを聴いていて、多分これは、速度の問題なんじゃないか、という気がしている。
drukqsの曲の速度、テンポはどうも、一定ではない。
方や、Syroはある程度、破綻がきたさない程度に、テンポを一定にキープしているような印象がある。
これは、印象であって、正確ではないけど、僕の感想としては、そうだ。
drukqsは何度聴いても飽きないし、新たな発見、新鮮さが僕にはある。
だから、僕は、エイフェックス・ツインのアルバムの中で、drukqsは特別な位置にある。
けっして、聴いていて、心地いいわけではない。
摩訶不思議な、不可解な、わけの分からなさがある。だから、特別であり、エイフェックス・ツインは天才だと思っているのだけど、Syroには、それがない。あるいは、薄い。
僕は、drukqsを超えるアルバムを期待していた。
Syroは、drukqsと明らかにベクトルが違う。
わけが分かる。
エイフェックス流のダンス・ミュージックになっている。
drukqsは、ダンス・ミュージックとは呼べないだろう。
drukqsには、静寂がある。
静寂以上の静寂が。
日本のライターたち(?)が、drukqsには曲に悪意がある、みたいなことを言っていて、それは、drukqsの前の作品には、確かにエイフェックス・ツインの悪意がある、ブラックがある、それは、リミックスにも強くある、ブラックユーモアのようなものが、ひねくれたものが、でも、drukqsは、それを超えているのではないだろうか。
ピアノの音色を聴けば感じるはずだ、悪意でこんな音色を奏でることは出来ない、と。
drukqsでわざわざピアノソロの曲をたくさん収録している理由について、あまり音楽ファンは興味がないだろうけど、これは、ある種の覚悟であって、自分の裸をさらけ出している、と受け取ってもいいように感じている。
僕が敬愛している小室哲哉も、ある時期を境に(2000年前後だろう)、ピアノソロにこだわり、ピアノ演奏をそうとうに練習している。
つまり、多分、シンセキーボードと違って、ピアノは誤魔化しがきかない、ということだろうし、より繊細なタッチ、演奏が求められる、音色で全て出てしまう、ということだったのだろう。
二人に共通しているのは、2000年以降、人気が薄れていく、ブームが去ってしまった。
方や、新曲をリリースするものの、以前のようには売れず、方や、表舞台から姿を消す。
そして今、方や、トランスからEDMへ音楽スタイルを変化されて時代に合わせようとする、方や、十何年ぶりにアルバムを出して、それは、人気のあった頃の音楽スタイルを世間のウケを見越して周到する。
間違いなく、Syroには、「あんたたち、こういうのが好きなんでしょ? こういうアルバムを待っていたんでしょ?」という思惑がある、と僕は確信している。
drukqsに収録されている曲の多くは、いくつかの音楽の流れ(テンポも含めて)が同時並行で進行している。
それは、それぞれ、かなり異なる流れであって、それらを平然と並べてしまう。
だから、一聴しても、わけが分からないし、どのような曲(音楽)なのか、よく分からない。
全体的に、drukqsは、ダンス・ミュージックではなく、アンビエントが強いと思うのだけど、それが、世間で言うところのアンビエントなのかと言うと、多分、違うだろう。
BPM30~70ぐらいのアンビエントっぽい音色と、BPM130~150ぐらいのビートが一見、何の関係もなく、主従関係もなく、それぞれに主張しながら、曲が進行している。
僕は、そのやり方にかなりの影響を受けている。
多分、続く。